院長挨拶

病院案内

沼津中央病院 院長 杉山直也

 脳科学が発展を続ける現在、精神科は今後最も注目される医学・医療の領域のひとつと言えるでしょう。今の時代を生きる人々は、ストレス社会や高齢化などに関連して、様々なメンタルヘルスの課題に直面しており、精神科医療も多くの方が関心を持つ身近なものとなりました。
 当院は、大正15年に開設された精神科を専門とする医療機関で、まもなく100周年を迎えます。一時は戦火で焼失し、戦後再建されたといいます。
 私たちはこれまで、「地域に密着した精神科医療」を中心的なテーマとしてきました。従来精神科では入院による治療が中心であった時代から、地域で生活しながら治療することを最優先に考え、2か所の駅前サテライトクリニック(沼津(昭和41年開設)・熱海(昭和59年、開設当時は伊東、令和7年に閉院))、訪問看護(昭和59年)、はまゆう寮(現在グループホーム、昭和56年)、デイケア(平成2年)、地域生活支援センター(現在相談支援事業所等、平成14年)といった地域のサービス資源を時代に先駆けて整えてきました。さらに、地域生活をしていく中で、急な病状の変化にもすぐに病院が対応し、安心して地域で暮らせるよう、「精神科救急」の体制も構築してきました。平成10年からは、県東部の精神科救急常時対応型施設、平成26年からは精神科医療相談窓口の役割を担っています。
 近年は、国立の研究所、大学病院、専門学会等と協力しながら、一般の精神科医療はもとより、児童・思春期の外来診療体制の開設ほか、精神科における医療の質向上を目指し、最適なケアを提供できるよう、臨床指標を用いた最新の医療マネジメント、業界最先端の行動制限最小化活動、利用者中心の考え方を取り入れた医療活動の推進にも取り組んでいます。
 これからも、県東部で精神科医療を中心的に担う医療機関として、責任と自覚を持って取り組み、地域に少しでも多く貢献できるよう、質の高い医療を心がけて参りたいと思います。

公益財団法人復康会
 沼津中央病院
 院長 杉山直也